理事長からの挨拶とメッセージ
2024年の学術集会後から3代目理事長を拝命いたしました
山本信之でございます。
本学会は、田村和夫先生、相羽惠介先生、佐伯俊昭先生の3人のfounderにより、2015年に設立されました。その中で、初代理事長に田村和夫先生、2代目理事長に佐伯俊昭先生が就任され、それぞれの強力なリーダシップの下、この10年の間に、順調に成長を続け、現在会員数約1,400人、委員会15、部会17、ワーキンググループ11の構成となっております。
さて、本年度、本学会として初めて評議員・理事・理事長選挙を行いました。この選挙を行うにあたり、医師もしくは医師以外の職種の比率が一定数を超えないという基準を設けました。それは、支持医療は薬物など治療だけではなく、全ての医療関係者の総合力を集約することで初めて十分な効果を発揮できるという、本学会の基本的な姿勢に基づいているものです。この考え方は、今後開始予定の本学会の認定制度にも反映されており、認定医でもなく認定看護師・認定薬剤師でもない、それらすべてを包括した支持医療エキスパートの認定制度となる予定です。
本学会は、ホームページにもありますように、「がん治療を安全で効果的に実施するための支持療法を発展させ、学際的・学術的研究を推進し、その実践と教育活動を通して国民の福祉に貢献することを目的」として設立されましたが、現在は、支持療法を支持医療という概念に拡大し、治療だけではなくサバイバーシップ、患者教育・患者市民参画も含めて、サポーティブケアに関わる全てのことに積極的に取り組んでいます。会員の意識も高く、外部資金を獲得するなどして様々な重要なプロジェクトが進行しています。ただ、それを支える基盤がまだまだ未熟です。前佐伯理事長の時代に、公平な選挙による役員選任の体制を確立し、認定制度の検討を始めていただきました。今後は、さらなる体制整備を行い、会員およびがん患者・その支援者の利便性を高めることで、学会のステータスのさらなる向上、さらには会員数増加等による財政基盤の充実を図りたいと思います。
日本がんサポーティブケア学会の役割は、がん患者に対する質の高いサポーティブケアを推進し、がん治療における全人的なアプローチを提供することにあります。これらを通じて、がん患者の生活の質を向上させるとともに、がん治療におけるサポーティブケアの重要性を広く認識させることを目指します。
一般社団法人日本がんサポーティブケア学会
理事長 山本 信之