がん悪液質を適応とした初の薬剤であるアナモレリン(商品名 エドルミズ錠®)が上市されました。
適応となるがんは非小細胞肺がん、胃がん、膵臓がん、大腸がんの4がん種に限定されていますが、
がん悪液質の患者さんには大きな恩恵になると思います。
アナモレリンの適正使用に関して、上記小野薬品工業株式会社からの文書に加えてCachexia部会よりコメントさせていただきます。
同剤の治験ではECOG PS(Performance Status)PS3-4の患者さんは除外されており、全身状態不良の方における有効性、安全性のエビデンスは十分ではありませんので、処方される場合はその点に留意いただく必要があります。
また、浮腫や体腔液貯留のある方は通常の体重測定により除脂肪体重の推移を評価することが難しく、同剤の投与は慎重にご判断ください。
その他、添付文書の記載内容をご確認の上、適正使用に心がけていただきたいと思います。がん悪液質の診断や治療については、今後当学会Cachexia部会を中心に診療の手引書を作成予定です。